ノルウェーはなぜEUに加盟していないのか
ノルウェーってEUに加盟してると思ってたんだけど、実は加盟してないらしい。ちょっと調べてみました。
1.国としての独自性を保つため
1994年に行なわれた国民投票の結果、ノルウェーはEUに加盟しないことを決定しました。主な理由としては、EUに加盟することによって国内および国際的政治政策で、国としての独自性を保つことが難しいことや、貿易・産業の分野でノルウェーの利益を十分に守ることができないことなどがあげられます。
ただし、1994年の国民投票の結果をみても反対52%、賛成48%とその差は大変小さく、意見の分かれる難しい問題です。現在でも引き続き議論が行なわれています。
難しい問題らしい。
2.ノルウェーの経済が安定していて裕福だから
- アンケート:EU加盟支持はノルウェー国民の三人に一人のみ(2001年の記事)
EU加盟に賛成する者はわずか33パーセントで、45パーセントが反対、22パーセントが態度未定であった。
(中略)
EU加盟反対派が増える理由について世論調査所はデンマークのユーロ拒絶とノルウェーの経済状況が安定していることを挙げている。
デンマークは2000年9月の国民投票でユーロ参加の否決を決定している。
1994年11月、国民投票でEU加盟を否決(1972年にもEC加盟を否決)。新政権もEU加盟を求めない方針。
(イ)主権喪失、福祉水準の低下、漁業権侵害に対する国民の間の根強い懸念等が理由。
(ロ)経済関係では、欧州自由貿易連合(EFTA)の一員として同連合諸国(スイスを除く)がEUとの間で1994年に締結した欧州経済領域(EEA)協定を通じて経済的利益を確保し、さらに1999年にシェンゲン協力協定に参加して、関係欧州諸国との間の自由往来を実現している。
EU非加盟でも経済的利益は確保されている、むしろ加盟するとデメリットが懸念される、と。
EU加盟に関しては1994年の調査(反対52%、賛成48%)から見ると賛成派は減っているようだ。
3.捕鯨推進派だから
捕獲推進派は、主に食糧として捕鯨をしている国々で、日本、ノルウェー、アイスランド、フェロー諸島などが主要な推進派である。
なおアイスランドもEU非加盟国。上であげられている「漁業権侵害」問題ってのが要はこれのことなんだろう、たぶん。もちろんこれだけじゃないだろうけど。
スイスもEU非加盟国だが、やはり経済状況の安定が理由のひとつにあるようだ。(永世中立国だからというのもあるが)
通貨のスイスフラン(CHF)は、金よりも堅いと言われるほどの世界で最も安定した通貨であり、
(中略)
スイスの欧州連合 (EU) 加盟の賛否を問う国民投票において、国民の過半数が反対票を投じる重大な理由はここにある。すなわち、スイス国民にとってEU加盟は何らメリットが見出せないのである。
また、ノルウェーはEU非加盟国だが、「シェンゲン協定」を調印、実施している
シェンゲン協定(シェンゲンきょうてい、Schengen agreement)とはヨーロッパ各国において、共通の出入国管理政策及び国境システムを可能にする取り決めである。アイルランドと英国を除く全てのEU加盟国及び、EUに非加盟であるアイスランド、ノルウェーとスイスの計26ヶ国が協定に調印し、そのうち15ヶ国が施行している。
ちなみにスイスは調印しているが今のところ未実施。
その他参考資料。
とりあえずWikipedia。
情報充実な外務省のページ。