人称+視点?

前から思っていたのだが「一人称視点」という日本語は変だと思う。
FPSとかいう語は知ってる。「First Person Shooting」の略で、日本語では「一人称視点シューティング」と訳すことになっている。
「First Person」は「一人称」という意味だが、「一人称シューティング」だとなんのことやら分からないから「視点」をくっつけたんだろう。親切である。だがそんなふうになんでも適当にくっつけとけばそれが新たな語として成立するってもんでもないだろう。
同種の語にTPS、「Third Person Shooting」というのもあって、こちらも「三人称視点シューティング」と訳すことになっている。
しかし思うにこの正しい訳は「第三者視点シューティング」だろう。「三人称視点」なる珍妙な語をわざわざ新たに作らなくても「第三者視点」で十分意味は通じるはずだ。いや通じる。通じろ。
つまり「人称」という語と「視点」という語はくっつかないと思うのである。「視点」を持つのは人間だが(カメラでもいいが)、「人称」というのは人を指す呼び方のことだ。人そのもののことではない。
思うに、こういう言葉がないことを承知であえて書くと、FPSの「正しい(?)」訳は「第一者視点シューティング」なのではないか。
問題は「第一者」なる日本語は存在しないということだ。「Third Person」は文脈によっては「第三者」と訳してもいいが、同じノリで「First Person」を「第一者」と訳すことはできない。ううむ困った。
「一人称視点」とおおむね同義に使われる語に「主観」あるいは「主観視点」というのがある。「主観」はともかく「主観視点」だと「主観」と「視点」で二回「みる」っていってるわけで意味の重複がある気もしないでもないのだが、気にしてはいけない。それと「主観」という語は「個人のものの見方」を意味する語でありここでいう「ものの見方」とは「見解」とか「考え方」といった意味なのだがそれも気にしてはいけない。「ものの見方」なんだから素直に「みる」の意味でいいじゃない。それでいいじゃない。
少なくともオレとしては「一人称視点」よりは「主観視点」のほうがよりよい訳し方だろうと思うのでオレとしてはこっちを採用したいのである。だからみんなもそうするように。いやみんながそうする必要があるかというと別にないが一人くらい賛同者がいてくれるとうれしいなぁっていう。
あ、あと「主観視点」を採用するとそれに対応する語は「客観視点」になりそうなものだと思うかもしれないがこれは「客観視」という語がすでにあってカブるのがよくないので「第三者視点」のほうでよろしくお願いしたい。「主観視点」と「第三者視点」では語の対応関係という面でよろしくないアレになるがそれは気にしない方向でよろしくお願いしたいのである。


長ぇー。

まとめ。

前から思っていたのだが「一人称視点」という日本語は変だと思う。
少なくともオレとしては「一人称視点」よりは「主観視点」のほうがよりよい訳し方だろうと思うのでオレとしてはこっちを採用したいのである。

この二行だけでよかった。